在宅介護
認知症で怒りっぽくなったり癇癪をおこしてしまう方への対応方法
認知症の症状がすすむと、ささいなことで怒りっぽくなったり攻撃的になることがよくあります。
在宅介護をされている方は、急に癇癪をおこされるとなだめたり落ち着かせたりすることに心身ともに負荷がかかり、大変な思いをされていると思います。
今回は、認知症の症状が進行したことにより癇癪を起こしてしまう方への対応方法を解説していきます。
なぜ認知症になると怒りっぽくなってしまうのか?
まずは、攻撃的になってしまったり、癇癪を起こしてしまう要因を知りましょう。
認知症になると、行動・心理症状(BPSD)が表れます。
行動・心理症状(BPSD)とは、自身の認知症による症状と、それに対するまわりの対応に不満や焦りを感じる心理状態によって引き起こされる症状です。
行動・心理症状(BPSD)のひとつとして、「感情のコントロールができない」「怒りっぽく攻撃的な言動になる」といったことが表れます。
進行段階では初期~中期症状として表れます。
認知症の方に対して怒ってしまうとどうなる?
では、認知症の方への対応として、怒りや強制で対応した場合、どういうことが起きるでしょうか?
実際の事例を交えてご紹介します。
ケース例
”Aさんは夫の母である認知症の義母と同居をしており、在宅介護をされています。認知症の症状から、数年前から怒りっぽく、さらに幻聴・幻視の症状もあり、「知らない人が勝手に家の敷地内に入ってくる」ということを何度も怒りながら訴えてきます。
Aさんは最初は受け流していたものの、何度も繰り返される主張にストレスが重なり、つい怒りに任せて怒鳴ってしまいました。
認知症の義母は怒られたことに対してさらに怒るようになり、認知症の症状も日々進んでいるように思えます。”
上記のケースでは、認知症の方が「自身の主張が受け入れられなかった」「怒られた」という負の感情だけが残り、ストレスによってさらに行動・心理症状(BPSD)が酷くなるという悪循環に陥っています。
認知症の方への怒りや叱咤は状況を好転させることにはなりません。
認知症の方への対応姿勢
先述の通り、行動・心理症状(BPSD)はまわりの対応に不満や焦りを感じる心理状態によって引き起こされる症状なので、言い返したり強制させることは返って症状を悪化させてしまう可能性があります。
認知症で怒りっぽくなったり癇癪を起こす方への対応は、理解と尊重の姿勢を示すことが重要です。
いくつかの具体的なポイントをご紹介します。
冷静になる
まず、自分が冷静であることが重要です。相手の怒りや癇癪に巻き込まれないように努めましょう。
理解と共感
認知症の方が感情的になる原因を理解しようとすることが重要です。
相手の立場に立ち、その気持ちに共感することが大切です。
言葉以上に態度で示す
言葉よりも、表情や姿勢で愛情や理解を示すことが効果的です。穏やかで優しい態度が、相手を安心させることがあります。
単純な言葉を使う
わかりやすく、簡潔な言葉を使ってコミュニケーションをとりましょう。認知症の方は複雑な言葉や理屈よりも、シンプルな言葉に反応しやすいです。
他の話題に変える
他の話題に注意をそらすことで、相手の怒りや癇癪を和らげることがあります。新しいコンテンツや活動に誘導することで、気分転換ができるかもしれません。
安全な環境を整える
認知症の方は、安心感を求めることがあります。安定した環境や日常生活のパターンを維持し、安心感を提供することが大切です。
尊重
他者の尊厳を守り、尊重することが重要です。怒りっぽくなっても、その人の人格や尊厳を尊重しましょう。
第三者の専門家の協力
必要であれば、医療専門家やケアマネジャーなどと連携し、状況に適切なサポートを得ることが大切です。
在宅介護で限界がくる前にやるべきこと
「認知症の方に怒っても仕方がない」
言葉にすることはたやすいですが、実際介護の現場で接する方は頭で分かっていてもどうしてもストレスが溜まるものです。
さらにうまくできない自分を責めてしまう方も。在宅介護はいつでも共倒れとなってしまう危険が潜んでいます。
介護をされている方の人生も大切にできるよう、在宅介護をしながらも施設探しを進めていくことが重要です。
なぜなら、いざ施設が必要となったときに、すぐに入居可能な施設が見つかるわけではないからです。
在宅介護をしながら時間のない中で施設を探すことは簡単なことではありません。
そんな時は、岡山県有料老人ホーム相談センターへご相談ください。ご相談から契約、入居まで、完全無料で施設探しのサポートをさせていただきます。
まずはお電話やメール、LINEにてご相談ください。